〇をつけよ。

ぼっち・人見知り・コミュ障との向き合い方を書いたブログ。

恩田陸さん『蜜蜂と遠雷』の感想。恩田さんの描く天才像とは。

この前、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』を読みました。

2017年に本屋大賞直木賞をダブル受賞して話題になった本です。

 

読んでいて確かに面白かったんだけど、強烈な既視感が。

 

わたし、恩田さんが書いた『チョコレートコスモス』という小説が大好きなんですけど、それとかなり設定が似てるんですよね。

どちらも「天才少女/少年が主人公の物語」だから似て当たり前と思ってたんですが、細かい描写とか恩田さんが描く天才像があまりにも似てて。

 

なので、『蜜蜂と遠雷』が好きな方は『チョコレートコスモス』も気に入っていただけるのではないかと思います。

あまりにも似てるなあと感じたのですが、どこが似てるか言語化したかったので、2つの作品の共通点をまとめてみました。

 

・目次

 

 

1.天才少女/少年を軸に物語が進む。

まず、『蜜蜂と遠雷』のあらすじはこんな感じ。

3年毎に開催される芳ヶ江国際ピアノコンクールに出場する3人の天才を中心として物語が進む。

 

風間塵(16歳)…養蜂家の父とともに各地を転々とし、自宅にピアノを持たない少年。

 

栄伝亜夜(20歳)…かつて天才少女としてデビューしたが、母の死去以来、コンクールからは遠ざかっていた。

 

マサル・C・レヴィ・アナトール(19歳)…完璧な演奏技術と音楽性をもつ。

 

主にこの3人が第1次から3次予選、そして本選で戦っていく物語。

 

次に『チョコレートコスモス』のあらすじはこんな感じ。

21歳の女優・東響子は幼い頃から「天才子役」として活動してきたが、このまま役者を続けるべきか迷っていた。

一方、都内のW大学の演劇サークルには大学1年生の佐々木飛鳥が入部してくる。 佐々木は初心者であるにも関わらず、妙に芝居の「勘」がさえた少女であり、ぐんぐんと頭角を現す。

そんなタイプの違う天才である2人があるオーディションで出会う…というお話。

 

個人的には、『蜜蜂と遠雷』の風間塵と『チョコレートコスモス』の佐々木飛鳥が同じタイプかなと思っています。

自分が才能に恵まれてるという自覚がなく、かつ音楽や演劇に対して迷いを感じてないところが似てるなあと。

 

 

2.天才少女/少年の人物像がそっくり

①自意識や迷いのない人物

恩田さんの描く天才はとにかく自然体。彼らは自意識もなく、自分が演技や音楽をすることに何の迷いも感じていない。

 

 ・風間くんの場合

遠くにいても、いいピアノの声はすぐに分かる。少年には、「ここにいるわ」と呼んでいるように聞こえるのだ。

 

・佐々木さんの場合

 サークルの先輩に「佐々木は、なんでお芝居やろうと思ったの?」と聞かれる。

「『お芝居やりたい』って、具体的に頭の中で考えたことないんですよ。ただ、ああいうふうになりたい、あの奥に何があるのか知りたい、と思っていただけで」

 

②周囲を振り回す存在であることが警告される。

 ・風間くんの場合

 彼の審査用の書類には、ピアノ界の偉大な師であるホフマンの推薦状がついてきた。そこにはこう書かれている。

「彼は劇薬なのだ。中には彼を嫌悪し、憎悪し、拒絶する者もいるだろう。(中略)彼を本物の『ギフト』とするか、それとも『災厄』にしてしまうのかは、皆さん、いや、我々にかかっている」

 

・佐々木さんの場合

オーディションの結果、東さんとダブル主演で舞台に出ることが決定する。

そのときにプロデューサーの芹澤が東さんにこう訊ねる。

「彼女はそれくらい危険な相手だ。君も無傷では済まないぞ。必ず巻き込まれる」

 

演技や音楽の才能に溢れているからといって、周囲にプラスの面ばかりをもたらすとは限らない。天才は良くも悪くも刺激の強い存在として描かれているということです。

 

 

3.まとめ

どうですか?めちゃくちゃ似てませんか?笑

 

他にもいろいろ似てるところあります。

風間くんも佐々木さんもめちゃくちゃ美少年とか美少女ってわけじゃないけど、品のある整った顔立ちをしているところとか、黒目が大きいところとか。

 

 

ちなみに、恩田さんによれば『チョコレートコスモス』は当時3部作の予定だったらしく、文庫本のあとがきには次作の『ダンデライオン』を執筆中であると書かれていました。

 

その後音沙汰がないのでどうしたんだろうと思っていたら、同じくオーディションの話である『蜜蜂と遠雷』が発表されたので、こちらにシフトしたのかもしれませんね。

 

蜜蜂と遠雷』は長すぎてちょっと…って方もいると思うので、そういう方にはぜひ『チョコレートコスモス』を読んでいただきたいです。

こちらも500ページ超あるので、文庫本にしては長いですが。笑

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷